「不定期で書。」 このコーナーは、書道毛筆10段の南波志帆が気の向くままに漢字一文字で気持ちを表すコーナーです。

「音」 (2011.4.27)

音

新しい音に出会う度、目の前に新たな景色が広がります。いつもの道も、聴いている音楽を変えるだけで違う道に見えたり、不思議です。音楽を聴くと、その時感じた気持ちや見た風景、匂いまでもが鮮明に蘇ってくるので、私にとって音楽は、二度と戻らぬ一瞬を記憶しておくために大切な無くてはならない存在です。こどなの階段は、聴いた瞬間に、頭の中をたくさんの風景が駆け巡ります。モーツァルトを聴くと、悲しみが疾走するといわれていますが、この曲に関しても、疾走感とおなかの下から込み上げてくる高揚感が心地よいです。山口さんの曲は、新鮮な空気を吸った時に感じるような解放感や刺激がありますが、同時にどこか懐かしい感じがします。多分きっと日本人の琴線に触れる音なのだと思います。青春の一瞬のきらめき詰まってます。

「詞」 (2011.4.20)

詞

日本語の中で一番美しいと思う言葉は「さようなら」だと、あるフランス人が言ったそうです。なにも濁っていない、響きが美しい言葉です。「さようなら」は、お別れの意味のもの、次へ進むための前向きなもの、再び会うまでの遠い約束など、受け取る人によっていろんな意味を持つ言葉だと思います。ひとつの言葉にいろんな意味があったり、その裏に隠れている別の意味があったり、日本語って面白いなと思います。比喩や隠喩や直喩、ストレートに言ってしまわない奥ゆかしさが美しいとも思います。だから、私は日本語が好きです。「こどなの階段」の歌詞は、文学的でとても美しいです。じっくり読むと、改めて日本に生まれてよかったなんて思ったりもします。大人でもない子供でもない、その狭間で揺れている、未来に対する漠然とした不安や希望がリアルに描かれています。この曲の主人公は、子供から大人に変わってゆく過程でいろんな思い出や感情を捨ててゆくのではなく、自分の中に大切に残している気がします。大切な思い出と共に、まだ見ぬ未来をまっすぐ見つめている姿に、感動しました。小出さんの歌詞には、青春時代の悲しいことも辛いことも切ないことも嫌な思い出も、決して綺麗な思い出にはならないと思うけれど、でも自分にとって大切なかけがえのない思い出に変えてくれる不思議な力があると思います。甘酸っぱい気持ち、感じて下さい。

「青」 (2011.4.13)

青

友達と何気ない話をしているとき、ささやかなことで笑いあえたとき、校庭に落ちる二人の影をみたとき、ふと、もう二度と戻らない時間を過ごしているんだなと気づきます。大人になって振り返った時、私にとっての青春とは、まさに今のこの一瞬なのかもしれません。だからこそ、日常の瞬間を大切にしていきたいと思います。新曲「こどなの階段」、もう聴いていただけましたか?今しか感じることのできない感情、今しか見ることのできない風景、青春の一瞬一瞬が切り取られています。大人でもない、子供でもない、「十七歳」の今だからこそ歌える、大切な作品となりました。私は今、こどなの階段を登っています。

「新」 (2011.4.6)

新

新しい始まりの春。みなさん、いかがお過ごしですか?まだ見ぬ世界へ踏み出す瞬間に感じる不安や、新たな出会いに対するドキドキとワクワク。この季節は、いろんな感情が慌ただしく駆け巡ります。環境の変化によって失うものもあるかもしれない。でも、私は過去の輝かしい「一瞬」は永遠に自分の胸にあると信じています。だからこそ、私はこの季節にしか感じることのできない、新鮮でちょっぴり刺激的な今の感情を胸に、未来の輝かしい「一瞬」を夢見て、一歩踏み出したいです。揺れ動きながらも、一歩前に進む瞬間を描いた「こどなの階段」が6月15日にリリースされます。この楽曲が、新たな世界へ踏み出そうとしているみなさんの、背中を押せるような作品になればいいなと思います。